自分の部屋に入ろうとしたとき、お姉ちゃんと会った。
「おかえり」
「ただいまー」
「あー♪ 優と何かあったんだ?」
「何もないよ」
「占い師に通じるとでも思ってんの? 占ってあげよっか?」
「いい……」
私はお姉ちゃんを通り過ぎて部屋に入る。
そんなの期待はずれな答えが返ってくるに決まってるじゃん。
いいことばっかりじゃないんだよ。
柚ちゃんと楽しい片思いにしようって話したばかりなのに…私は何をやってるのだろう。
柚ちゃんにも自分にも最悪だ。
――――♪~♪♪~~…
ケータイが軽いリズムで鳴り出した。
「塁君……」
学習能力がないのか、また期待をしてる自分にうんざりしながら通話ボタンを押した。

