次の日、私と女の人のことが新聞の小さな記事に取り上げられてた。
クラスメイトからも先生からも「大丈夫だった?」って聞かれる。
体は大丈夫でも…頭と胸の中はいっぱいいっぱいで着いていけない。
「莉子」
「優……」
手紙が送られてこなくなっても優と帰るのは変わりなくて、安心した。
「なぁ…塁のキス、拒んだ?」
「なんで?」
「塁が言ってた。フラれたって」
「そっかー…私、塁君ふっちゃったんだ」
改めて思う。
でも、後悔はしてなくて。
むしろ自分の心にも区切りをつけられて良かった。
少しだけ笑みがこぼれる。
「何がしたいの?」
「え?」
「莉子が塁を好きだっていうから協力したのに」
「……ごめん」