「優…これは違うんだよ!?」 「何が違うんだよ」 塁君が私から離れて優に向かって訴えた。 私は止まらない涙のまま、呆然とするしかない。 「俺が無理にしたんだ」 「へぇ…?」 「…ごめん」 「ん……莉子、大丈夫かよ」 塁君の横を通って私の前にしゃがんだ優。 「ん」 自分の気持ちに気付いた後はどうも接し方が変わってしまう。 「邪魔して悪かったな。俺が邪魔したから泣いてんだよな?」 「……」 違う。 違うよ、優。 柚ちゃんも心配そうな顔でドアの前に立っている。