俺様男子


「塁君…ごめん……」

「…俺、フラれたのかぁ…」




 頭をクシャっと掻いた塁君はもう一度私に近づいてきた。





 一瞬、身を引いた私はすぐに腕を掴まれた。





「莉子ちゃんッ…」

「る…塁君……」

「ちょっとだけこうさせて?」




 私をそっと抱きしめてた。





 まさか塁君が私と同じ気持ちでいてくれたのに…私、自ら拒んでしまった。




 本当にどうかしてる。





 明日になって後悔したらどうするの?



「塁君…ごめんね……私、きっとすごく間違ったことしてる」

「え?」

「私も塁君が好き…」

「だったじゃなくて?」



 何かを見透かしているように苦笑いをした塁君。