「あ、優君…いたんだ」

「ごめん。まだ寝てるみたい」

「いいよ。そのままで…」



 優の寝てる傍に座った柚ちゃんは真剣な顔をしてる。




「莉子ちゃん、聞いてほしいことがあるの」

「うん」



 真剣な顔からしてちゃんと聞かなきゃと思った。




「まず…ごめんなさい」

「え?」

「私、莉子ちゃんが殺されそうになってるのに…自分のことばっかりで」

「どういうこと?」

「一瞬、本当に一瞬だけ、莉子ちゃんが殺されちゃえばいいのにって思ったの」



 どういうこと…?



 私はただ頷くだけ頷く。





「私が優君を好きってことは知ってるよね?」

「うん」

「やっぱり好きで諦められなかったの」

「うん」

「でも、優君は私に見向きもしないからどうしようって思ってて。そんなときに、莉子ちゃんが殺されかけてるの見て…そのまま行けば私のところに優君が来るんじゃないかって」

「ちょ、ちょっと待って! その言い方、優が私のことを好きみたいじゃない?」

「んー、それは本人から聞いて?」

「あ、はい…」



 ますます分からなくなってきたぞ…。