俺様男子

「カッターじゃダメなのかしらね…」

「え…」



 手についた私の返り血を拭ってから鞄の中を探っている。





 今、逃げられるのに。




 体が言うことを聞かない。




「震えあがってるの? 可哀相にね」

「い、いや…」

「いつもあんなに強気なのにね。今日は良かったんじゃない? 冥土の土産に優様と一緒にお茶が飲めて」

「わ、私が好きなのは……優じゃない」

「でも優様はあなたのことが好きだわ」

「え……?」




 どういうこと?



 疑問を浮かべると、女の子は何かを見つけたように鞄の中から取り出した。




 ペーパーナイフ…?




「包丁を持ってこようかと思ったけど、ママに見つかっちゃって」