俺様男子

「何これ」

「こっちが聞きてぇし」



 優のロッカーの中には数えきれないほどの同じ便箋。




「明らかに同じ奴だよな」

「うん…」



 全部ピンクの便箋で、花の模様が書いてある。





「これってさ…例の奴?」

「たぶん…」




 あれからもまだ届いている手紙。




 たぶん同じ人なんだろう。




 私が一枚便箋を手にとって中を開く。





『今日は私と優の記念日だよ』



 たったその一言の文。




「記念日…?」

「しらねぇよ」



 今日は優の誕生日でもないし、お祝いする日でもなんでもないと思う。



「心当たりないの?」

「全く」



 一応他の便箋も開いてみる。



『プレゼント楽しみにしてるね』