俺様男子

 いつもより早く学校に着く。



「あれ、優大丈夫?」

「んー…」



 電車の中でなぜかまた猫背を始めた優は朝からお疲れみたい。





 大丈夫かな…。





「体調悪いの?」

「平気」


 じゃなさそうんだけどな…。






「つかさ…なんか今日、いつも以上に視線が多くない?」

「だな…」

「なんでだろ」

「わかんなくていい」




 ロッカーを開けながらダルそうにつぶやいた優はまだ眠そうな目を一気に開いた。



「どうしたの?」

「いや…なんでもねぇ」



 明らかになんでもないことはない。




 私は優のロッカーの中を覗いた。





「は?」

「ちょッ!!」



 急いで閉めようとした優の手を掴んで止めた。