俺様男子

「夏弥君のお兄様はご機嫌斜めみたいですね~」

「だね」


 ニコニコと顔を見合せながら頷く。




「うっせぇ。莉子、行くぞ」

「んー」


「いってらっしゃ~い」



 私の腕を引っ張って夏弥君の部屋から出て行く優。





「夏弥の部屋に入るな」

「なんで?」

「なんでも」

「意味わかんない」

「わかんなくていい」




 さっきからちらちらこっちを見てくる優。




 何よ~…今度はなんの文句?




「何?」

「あ? んでもねぇよ」

「じゃあこっちちらちら見るな!」

「みてねぇし? 自意識過剰なんじゃね?」




 そうかなぁ…?