帰り道、学校を出てすぐの所に、彼がいた。
「ねぇねぇ!今日駅にいた人でしょ。転校生?」
「あ!今朝の…」
覚えてくれていたようだ。
「ね 名前は?私 西田莉奈!どっから来たの?家はどのへん?同じクラスの転校生に駅で偶然会ったなんて、運命的!それで──…」
「俺 今すげーイラついてて、何すっかわかんないんだ」
あれ?
この香り……
───ぐぅう゛ぅー……
彼のお腹が鳴った。お腹空いてるんだ……。
「ねぇ!うちおいでよ!!」
「は?」
私の家は洋食屋を営んでいる。
「あちゃあ……ピークだったかぁ…。あ、私のお兄ちゃんのお店!」
時間帯が悪く、お店は混雑していた。
「………このレシピの見様見真似で良かったら……、僕手伝います。」
彼はあっという間に、レシピどおりの物をつくった。
「すごい……料理やってたの?え――と…」
「…八木下晴大です。以前、知り合いの店を手伝っていました。」
「君ぃ――――!!!うちでバイトしないか?」
景兄(カゲニイ)の言葉に、
「いいんですか!?」
