坂道の途中で


「莉奈!千治!お弁当」

「ありがとー!行ってきまーす!」

西田莉奈 高校1年生。
坂道のてっぺんにある、私の家から、地面を弾いて掛け降りる毎朝。
いとこの千治も一緒。

「おっせーぞーー!」
タケルと大介と由佳里も、同い年の友達。一緒に登校してる。


「なんだ?ケンカか?」

1人の周りを囲んでいるのが見えた。囲んでいるのは、私の学校の生徒。1人、囲まれているのは、見覚えのない顔だ。


「かぁーっこいー!!」
あまりの格好よさに、私は叫んだ。
「莉奈ー!向こうの空気読もーよ」
「目が合った!」
「目つけられたんじゃねーの!!」

しばらくの間、彼はこちらを見つめてた。


「すっっごいドキドキしたー!同い年くらいだよねぇ。もしかして転校生かなぁ!!」



また
会えないかな……。