なにしろ、急にナンパされたと思ったら、今度は見知らぬ男に肩を抱かれて、しかも偶然にも私の家の近くまで一緒に歩いたのだから。

「じゃぁ、これで。」

男が背を向けた。

『待って!』

れんが目の前から消えてしまう気がして、そう思った。

「あの!あなた誰なんですか?」

思った事を素直に聞いてみた。

男は止まって、振り返った。

そして言った。

「う〜ん…‘天使’…とでも言っておこうかな。」

優しい笑顔だった。

「じゃぁ!」

そう言うと、男は去って行った。