七夕☆Angel

「だ、大丈夫だよ!」

私は、かけるの手を払うようにして顔をそむけた。

かけると繋いでいた手を離し、一人で先に歩いた。

どこに向かう訳でもなく歩いていたら、楽器を売っているお店を見付けた。

ふと立ち止まって、店頭のピアノの鍵盤を叩いてみた。

ポーン

『いい音…』

私は昔ピアノを習っていて、今でも趣味で弾く事がある。

ピアノの音を聞くと不思議と癒される。

たった一つの音にも酔いしれる事が出来るのは、私だけかもしれない。

「ゆめみ!」

ピアノの音に酔いしれていた私の額に、かけるが手を当ててきた。