「かけるね、れんの事を忘れろなんて言わないって…そう言ってくれたんだ。」

「へ〜、大人だね。」

そう、かけるは大人だ。

いつも冷静で、そして優しい。

私の事を深く詮索する事もない。

そんな所にも安心してしまう。

「ケンカとかしないでしょ?」

「うん!した事ないし、怒る要素がないんだもん!」

「へ〜。そんな男もいるもんなんだね。」

まなは感心していた。

本当に、かけるには、私が怒りたくなるような要素がない。

ケンカをするような事もない。

れんとはいつも些細な事でケンカになっていた。

私は短気なのだと思い込んでいたが、相手によって変わるものなのだと、思い知らされた。