七夕☆Angel

とりあえず席に着いたが、私は‘天使’の事が気になって、他の人の話なんて上の空だった。

みんな次々に自己紹介をしていく。

‘天使’の番がきた。

「俺はかける。天を翔けると書いてかける。先生やってます。」

『かけるって言うんだ…』

その時初めて名前を知った。

「ほら、ゆめ!自己紹介して!」

私の番だった。

「あ、私はゆめみです!」

それだけ。

あまりにそっけない自己紹介で、自分で恥ずかしくなった。

「へ〜、ゆめみって言うんだ。可愛い名前だね。」

‘天使’が優しく笑った。

『先生って、何の先生だろう?何歳なのかな?あの時のお礼言わなくちゃ…』

合コンの間、ずっと‘天使’の事を考えて、ろくに話も出来なかった。

全然話もせずに盛り上がらない、つまらない女だって思われたかもしれない。