金平糖のような甘い甘い恋

 「はぁはぁはぁ...疲れたぁー」


 30分くらい厳しい練習が続いた。


 「んじゃ、泳いでみろ。
俺が言ったとおりにしてな」


 「...はい」


 あたしは、ゴーグルを装着して息を大きく吸って
水の中に入り、思いっきり壁を蹴った。
 裕輔先輩が教えてくれた通りに泳いだ。
 ゆっくり強く蹴るように....。


 「おぉ!!すげぇじゃん!!」


 水の中からでも分かるくらいの
裕輔先輩の大きい声が聞こえた。

 それと共にあたしは水の中から顔を出し後ろを見た。

 
 「...あたし...15m泳げた!!
やったよ!!裕輔先輩!!」


 あたしは裕輔先輩にガッツポーズをした。

 すると、裕輔先輩はまるで愛しい者を
見るかのような目で優しく笑った。

 なんでそんな風に笑うの?なんで?
 あたし...勘違いしちゃうじゃん。


 「よし。んじゃ、お前が15m
泳げたってことで飯おごるよ」


 「え?!そんな大丈夫ですよ!!」


 「駄目だ。俺がおごるって言ってんだ。
黙って付いてこい」


 「大丈夫ですって!!」


 ....ほんとは行きたいんだけどね。


 「...誰のおかげで泳げるようになったんだ?」


 ....俺様すぎる。