「正直…ここまで来るまでは今日も練習キツくて疲れてた。
杏に会えるって思いながらサッカーしてたから終わった途端、気が抜けてさ……
けど、杏に会ったら杏が疲れた気持ち吹き飛ばしてくれたから大丈夫。
どっか行きたいところでもあるの?」
優は疲れた顔1つ見せずに優しく問いかけてきてくれた。
こうやってすぐに何かを察知してくれる優は本当に凄いと思う。
それともあたしの方が分かりやすいのかな?
「ううん、あのね…お父さんとお母さんに会って欲しいんだけど…無理はしなくていいからね?」
あたしは優の服の袖をきゅっと掴んで頼んでみた。
「本当に?この間、一時帰国した時に杏のお母さんには会ったけど
杏のお父さんとはしばらく会ってないし杏がいいなら会いたいな。」
と大好きな笑顔で優は答えた。
ん?ちょっと待って!
お父さんとはしばらくって…そのしばらくっていつ会ったの?

