俺は起き上がった杏の通りに座って、杏をもう1度抱き寄せた。
「あー、もう死にそう…」
あんな顔で「おかえり」なんて言われたら誰でも落ちるよ。
他の奴にもあんなことしたら嫉妬で怒り狂いそうだ。
相変わらず余裕ないな、俺。
言われ慣れてるはずなのに…
「え…、嫌だよ!死なないでよ!」
と俺の胸の中で完全に真に受けてパニックになっている杏。
落としたのは杏のくせに。
「…真に受けすぎ。でも、もう少しだけこうさせて。」
俺はさっきよりも少し強くギュッと杏を抱き締めた。
「うん…」
杏のお願いをきくはずが、結局俺の充電になってしまった気がする。
まー…いっか。
充電が終わった後、触れるだけのキスを1度すると、俺は杏を家まで送って行った。

