青空ライン *Third Story*




リビングの電気を手探りで点けると



ソファーの上に気持ちよささそうに寝息を立てて眠っている杏がいた。



「…良かった。」



…帰ってなくて。



杏の姿を見ただけで疲れが癒された気がした。



俺は杏のそばに行くと、眠っている杏を優しく抱き締めた。



受験お疲れさま。



よく頑張ったね。



俺は起こさないように心の中でそう呟いた。



「んっ…あれ?ゆ…う?」


起きたばっかりで舌足らずな声の杏。



起こしちゃったな。



でも今日はもう遅いし、帰らないとな。



「遅くなってごめんな。



今日部活が延びて遅くなったんだ。」



と言うと、杏は首を横に振って笑顔で



「おかえり」



と言ってくれた。