青空ライン *Third Story*




優の家の最寄り駅に着くと


まだ優が帰ってきてないのは分かってるのに早く家に行きたくって気付いたら走ってた。



優が帰ってきてるかもっていう期待はしてなくて



ただ優の部屋に行って落ち着きたかった。



エレベーターに乗って、行き先の階のボタンを押して


バッグから優の家の合鍵を取り出して鍵穴に差し込んで開けると



いつもの見慣れている大好きな世界が待っていた。


付き合ってた時は緊張して優にも中々近づけなかったのにね。



今となっては優が近くにいてくれないと不安になっちゃうくらいなのに。


あたし専用のスリッパを履いてリビングに歩いて行くと電気も点けずに



ソファーに引き込まれるようにかばんを降ろして、飛び込むように座った。



そして、この空間に安心して今日1日緊張して疲れたあたしはそのまま瞼を閉じて眠りについた。