そして…
あたしが言って一秒もしないうちに。
「いいよ、部活終わったらすぐに行くから部屋で待ってて。
でも本当に何かあったらすぐに連絡しろよ。」
「うん…わがまま聞いてくれてありがとう。」
あたしはそう言うと、電話を切った。
かばんを持って、下に降りていくと
「受験票持った?行き方大丈夫よね?」
とお弁当を渡しながら1人で焦っているお母さん。
あたしはお弁当を受け取って
「大丈夫だよ。受験票持ったし、
オープンキャンパスに文化祭も行って道はちゃんと覚えたから。
じゃあ、行ってきます。」
「行ってらっしゃい、気を付けてね!」
あたしはコクンと頷いて、お母さんに手を振り返して家を出た。

