「もう泣きそうな顔しないで。



あたしは1度優のこと信じることができなかった駄目な彼女だよ?



本当に優はこんなあたしでいいの?」



優の両手を包み込むように掴んで聞いてみた。



あたしは本当に優に悪いことをしてしまったから



もう必要とされないって思ってたのに……



「……めなんだよ。



杏が俺の前に現れてからずっとずっともう杏じゃないと駄目なんだよ。



大好きなサッカーにだって支障が出てしまう程もう杏じゃないと…



杏だけじゃないと駄目なんだよ!」



…嬉しかった。



こんなにもまだあたしを必要としてくれる優が



自分には勿体無さ過ぎて……まるで夢をみているような



そんな気がした。