「その人ね…あたしが優と付き合う前の彼氏なんだ…」
もう何も優には隠さない。
優にも本当のこと…ちゃんと知ってほしい。
「本当に?でもその人は…当時杏以外の…他の人と浮気してたって。」
目を見開いて、少し混乱したようにぽつりぽつりと話す優。
確かにあたしは前にそう言ったもんね。
「あたしはずっとそうだと思ってた。でも実際は全然違ったんだ。
圭はあたしを傷つけようとした女の人から守るために
あたしから別れを告げられることを覚悟してやったことなんだって。
だから周りのみんなの人は知ってた…
でもあたしが優を追いかけ始めて、付き合ったこともあってみんな言わなかったんだって。
圭の指示でね。
だけどね、この学校で圭と会ったんだ。」
あたしはそのまま話を続けた。
優はあたしの話に何1つ言葉を紡ぐことはなかった。

