本当に優なんだ。
夢じゃないんだ…
あたしずっと…
「ぐすっ…ふぇ…優…会いたかったよ。」
と言って無意識に優をぎゅっと抱き締めていた。
もう止まらなかった。
大好きな彼がこんな近くにいるのに抱き締めていられずにいるなんて
そんなの無理に決まってる。
「俺もだよ…杏。もう…離したく…ねぇよ。」
と弱々しくあたしの耳元で呟く優の声がすごく切なかった。
優にこんなことをしてしまった自分が心底嫌いになった。
「でも…優…ぐすっあたしはっ…」
"優のことを信じることができなかった。"
そう伝えようとしたら………
それが優は分かってたのか
「いいんだ。俺も取り乱した杏に言おうとしなかったのが悪かったから。
杏は何も悪くなんかない。」
彼はどこまでもどこまでもあたしに優しかった。

