青空ライン *Third Story*




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温かくてぬくぬくで大好きなにおいがする。



もう絶対この香りを知ることはないと思ったのに。



でも何だか苦しくなってきた…



最初は全然そんなこと感じなかったのに。



いったいどうして?



と思って重い瞼を擦って目を覚ますと待っていた世界は



目の前に優がいて、あたしは優に抱き締められていた。



「く…苦しいよ。って誰?」



って優だ…



どうしてここに?あたしまだ夢でも見ているのかな?



でもやけにリアルだ。



抱き締められている感触だってあるし、優の体温だって感じる。



「俺だよ…杏。山下優」



優は切なそうな顔を浮かべてあたしの質問に答えた。



「本当に…?本当に優なの?」



だめだ…また涙が溢れてきた。