青空ライン *Third Story*




赤いリボンの端と端を引っ張ってそれを手から離すと



今度は大きな上の箱に手を掛けた。



そして少し力をかけてゆっくり箱を開けてみると…



入っていたのは会社でみたカードやフルーツのバスケット、



花束や父さんの大好物ではなくって



待っていたのはすぅすぅと寝息を立てて眠る



間違える訳もない、この世で一番大好きで仕方なかった



………杏だった。



「どうして、杏がこんな所に…」



と問いかけてみても夢の中の杏は答えてくれる訳でもなく



未だに眠ったまま。



あの意味深な言葉、そういうことだったのか。



父さんの残した言葉に理解するしかなかった。



俺はそんな眠っている杏をプレゼントの箱から取り出して



近くにあったソファーに座ると優しく杏を抱き締めた。