「心のどこかでまだ俺のことを信じることができないって言うなら
すぐに付き合ってとは言わない。
杏に心から信じてもらえるまで俺は杏のそばで待つから。
でもこれで待つのは最後だからな。
必ず杏の中から山下優を消してみせるから。」
ドクンと心臓が大きく飛び跳ねた。
優への気持ち…
今はまだ消えないままだけどいつか必ず圭にまた戻るよね。
「…うん。」
「学校に戻るぞ。昼休みに行けば午後の授業に紛れ込みやすいし。」
あたしたちは圭の家を出ると、他愛もない話をしながら学校に向かって歩いて行った。
そして、少しずつほんの少しずつだけど
優とあたしの距離がどんどん遠く離れていくたびに
圭とあたしの距離が徐々に近づいていって
中学生のあの頃とほど近い関係になっていった。