圭の気持ちに答えたい。
最近圭の本当の話を聞いて圭のことを考えるようになっていたのも事実。
でもあたしの中にはまだ優の気持ちがたくさん残ってる。
そんなままじゃ、絶対に圭を傷つけるに決まってる。
「あのね…圭…」
とあたしが言いかけると
「断る言葉は聞きたくない。
付き合うって言うまでここから逃がさない。」
圭はさっきよりも引き寄せてきて、その腕は少し震えていた。
あたし…圭と付き合えば今度こそもう別れたりしない?
別れるのが怖くて怖くてしょうがない。
あの思いだけは二度としたくない。
一瞬、優の顔がぼんやり浮かんできたけどあたしは思いっきり首を横に振って頭の中から消した。
何にも返答をしないあたしに圭は
「分かった」とそれだけ呟いてあたしを圭の正面に向かせた。