「杏、自信持てよ!
山下先輩が高校生だった時、朝から放課後まで1日中女に囲まれてたのは俺も知ってた。
確かにあの人は優しいから手を振ったり、笑顔で接してたけど
でもそれは山下先輩にはスポーツ雑誌とかメディアからインタビューを受けたりしたから
そうせざるを負えなかった訳なの杏も分かってただろ?
現にあの人はどんなに女に囲まれたって杏以外好きになったりしなかった。」
そうだったんだ…
あたしいつも優が笑顔で女子達に対応してる理由…知らなかった。
どうしてそんな優のことを気付けなかったんだろ?
いつも誰にでも笑顔で優しく接する優にあたしは勝手に不安になって……
ヤキモチでさえ人にバレないように妬いていた。
「だから俺は山下先輩は浮気なんかしてないと思う。
別れたにしても、もう一度話すべきだよ。
それでも山下先輩のことが信じられないなら俺は別れてもそれでもいいと思う。
杏は山下先輩のこと…今も気持ちは変わらないだろ?」
少し笑みを浮かべて優しく問い掛けてくる圭。
その顔は今までに1度も見たことのない姿でキラキラしていた。

