圭の言葉を全部受け止めたあたしは否定できなくてまた顔を合わせられなくなった。
「バカ…お前何俺の言葉をそのまま受け取って落ち込んでんだよ!」
ちょっと焦ったような声を出す圭。
「だって…」
全部本当のことで否定なんてできないよ。
ちゃんと自分で釣り合ってないことも、優にはあたしよりも釣り合う人がいるくらい分かってるもん。
「だってじゃねぇよ。顔を上げろよ、杏。」
あたしはブンブンと首を横に振った。
すると、圭は溜め息を小さく吐いて
「お前…そこは反論する所だろ。
ったく、杏は山下先輩だからここまで頑張ってきたんだろ?
普通どんなに好きでもこんなことまでする奴他に探しても絶対いねぇよ。
たった1回自分の学校であった練習試合で知り合った人のために
志望校をその彼と同じにして、高校に入学したと思ったら部内恋愛禁止の部活に入る奴なんて他には絶対いねぇ。
現にそうだろ?杏以外に未だにマネージャー希望した人なんて一人もいねぇし。」
確かにそうだ。
あたしがマネージャーをしていた時も、引退した後も
あたしの前に一瞬マネージャーやってた人がいたくらいだ。
サッカー部のファンはたくさんいたけど、誰もマネージャーやりたいって言ってきた人は誰1人としていなかった。

