青空ライン *Third Story*




その後、他のレギュラーメンバーが監督に俺を試合に出るように頼んでくれたり、




ベンチのメンバーも荷物をまとめる俺を必死に帰らないように止めてくれたけど


このまま残った所で何も変わらないと悟った俺は



「必ずこの大会が終わるまでに元の自分に戻ります。


自己管理ができなくてすみません。」



とそっぽを向く監督に告げて一足先に日本に戻った。


そして、家に帰る途中キャリーケースを引いて歩いている時にあの光景を見てしまった……



最初はただのどっかのカップルが抱き合ってるだけだと思っていた。



だけど、立ち止まって女の子の方だけを見てみると…


見覚えある西ヶ丘の制服、そして横顔。



決定打を打ったのは……


遠い昔に泣いてる杏にあげたタオルをぎゅっと掴んでいた。



あのタオルは中学校の時のサッカー部のタオルで特別注文したものだから基本サッカー部しか持ってない。


それに中学の頃、マネージャーは募集してないし、男子が女子にタオルをあげるなんて聞いたこともないから



間違いなくあれは杏だ。


カッとなった俺は無意識に2人を引き離しに行こうと思った。



でもその足は途中で止まった。