「本当に大丈夫かよ?
そういえばさ、優さん達来週には帰ってくるって」
青木くんはきっとあたしを元気付けようと話を優に変えてくれたけど
今のあたしに優の話は辛くてたまらない。
「そっか…でもね、青木くん…
あたし、最近優と別れたんだ。」
その次の瞬間には…
電話越しで渇いた「は…?」という青木くんの声と
少し離れた所で向こうを見ていた圭が何も言わずにこっちを振り向いてきて…
だけどあたしはそのまま話を続けた。
「実を言うとね、別れるのこれが初めてじゃないんだー!
あたしが優を好きでも、優はあたし以外に好きな人が出来ちゃったからもう復縁することもないし…
だから今度こそ本当に終わっちゃった!」
これが明るい話ではないことは身に染みて胸が張り裂けそうなくらい分かっているけど
頑張って頑張って必死に声を明るくしてまるで楽しい話をしているかのような口調で2人に向かって話した。
……そうでもしないと、ここで思いっきり泣いてしまいそうだから。
あたしが携帯電話をそのまま耳に向けていると
少し離れていた所で聞いていた圭がズカズカあたしの元に早歩きで歩いてきて携帯をあたしから奪って
「ごめん、切るから。」
とそれだけ青木くんに告げてブチッと電話を切った。

