青空ライン *Third Story*




「それはさ、今の恋でそうならないようにするしかないんじゃねぇの?



過去に戻りたい気持ちは分からなくもないけどできないだろ?



…二ノ宮には優さんがいるんだから。」



淡々と答える青木くん。


理屈でもそれが1番だって頭のどこかではちゃんと分かっていた。



でも…頭の中の大半は



希美も青木くんも事情を知っていたのに“どうして教えてくれなかったの?”ってそればっかり過ってくる。



もう分からない…



まるで迷路に迷ったかのようにどこに進んだらいいのか分からなくなっちゃった…



他に好きな人が出来てしまった優への気持ちはまだ少しも冷めたりしてないけど


この事実を知った今、圭のことも頭に占めてきて本当に分からない。



それにこうやって失恋した今、自分自身弱くなっている気がして怖い。



「…おい!二ノ宮!」



電話の向こうで考え事をしていて全然応答しないあたしに大きな声で呼ぶ青木くん。



「あっ…ごめん。」



咄嗟に頭に浮かんできた言葉で返すけど、きっと返答は間違ってると思う。