それから寄り戻す事も一時は考えたけど
俺が今度こそ杏を守ることをできなかったら…
付き合うことでまた周りから杏に危害を与える人が出てきたらと思ったら踏み切ることができなかった。
だからと言って諦めることもできなかった俺は
萩原に必死に頼み込んでやっとの思いで杏の志望校を教えてもらって
俺にはバスケしかないから怪我しても何があっても頑張り続けて西ヶ丘のスポーツ科の推薦が取って
それで今、また杏と同じ制服を着てるって訳。」
本当はこのまま杏には姿を現さずに卒業するつもりだったことは敢えて言わなかった。
同じ学校で杏の姿を見て元気をもらってバスケを頑張ればそれでいいと本気で思ってたから。
だけど俺が正直に話すことによって杏を困らせたか?
目の前の杏はさっきまでずっと我慢していた涙に限界がきたのか思いっきり泣き出した。
「うー、ぐすっけ…いの…バカッ!」
俺の胸を容赦なく握りこぶしで叩いてくる。
って言っても全然痛くないんだけど。
そんな姿を見て、いけないことだとは分かってるけどどうしても自分のそばに置いておきたくて…

