―放課後。



6時間目まで授業を受けた後、いつものように帰りは希美と帰る予定だったけど


今日は…



「私、先帰るね!ちゃんと春田と向き合って話すんだよ?



私は杏が優先輩を選んでも、春田を選んでも、杏の味方でいるのは変わらないからね!じゃあね。」



「うん…またね。」



あたしは希美に手を振って見えなくなるまで見つめていた。



…そっか。まだ希美には話してないもんね。



“あたしと優が別れたこと”



きっとあたしは優も圭も選ぶことはない。



希美は圭が浮気してないって言ってたけど誰が来てもおかしくない学校でキスしてんだよ?



しかもあたしが別れを告げた時圭は「分かった。じゃあな。」と言って引き止めてもくれなかった。



それを浮気してないって言う希美のことを時間が経っていくたびに信じられなくなってきた。



こんな浮気されて辛い思いをしなければいけないのならあたしはもう恋はしない。



やっぱりあたしも圭と話さずに帰ろうとして昇降口に着いた時



下駄箱に寄りかかって待っている圭の後ろ姿を見つけてしまった。