とは言ったものの。
 とにかくココは広い。

 あたしは入り口を見つけられないまま。
 ウロウロ歩いてる。
 気が付けば、森のような場所にいた。


 ココって。まだ大学だよね。


 そんな事を真剣に考えていたら、落ちていた木の枝に引っかかり転んだ。

 お見事。
 派手に転んだせいで、鞄の中身はすべて外へ。

 ポケットからは、携帯が。


 「携帯だぁー」

 なんで。今まで気付かなかったの。
 さっきまでの、自分の行動がアホみたい。

 ため息を吐いて携帯を開く。


 「あ。電波が…」