「んで、俺は告白した。…でも返事は貰えんかった…これまで通りの接し方やった。」



もうすぐ、カフェに着く。
さっきまでの切なそうな顔は、いつもの顔に変わっている。


「ある日、突然先生が居なくなった。机の中に一枚紙切れ入れて。」


ドラマみたいやろ?と新が笑う。


「紙には「ありがとう」ただそれだけが書いてあった。…転勤やってん。」

「…あ、ここ…だよ。」

「お、着いたか!じゃあこの話は終わりな。」


新がドアノブに手をかける。


「…最後まで、聞きたい。」


溜息が一つ、零れる。


「しゃーないな、そっから俺はこっちに引っ越してきた。そん時にな?担任に言われてん…「先生は君のせいで転勤したんや」って。」

「新…」

だめだ。
あたしは、「先生」には絶対勝てない気がする。

あたしは今、付き合ってるけど…「好き」になったのを自覚した途端、壁が現れた気がする。