「…元カノ、って言って良いんかはわからへんねんけど。」


新の切なそうな顔を見て胸が締め付けられた。


「俺…、教師の事好きやってん。」

「え…っ?」

「引くやろ?」


苦しそうに微笑む新。
この話は聞かないほうがいいのかな?


「引かないよ。」

私の言葉を聞いて新はいつものように笑った。


「大阪に居たときにな、数学の先生と仲よかってん。」


新の言葉に静かに頷く。
時折道の指示をしながら。


「先生は俺の事よく気に掛けてくれててん…一時期、荒れてた時期あったから。」

「荒れてたの?」

「でもそんな悪い事はしてないで!」

昔を思い出すように笑って言う新。


「…優しい先生が、いつの間にか好きになってた。」