不思議に思ったあたしは章くんに尋ねる。

「裏の…顔って?」

あたしの言葉に章くんはさらに慌てる。

「な、何もないよっ!ね、ねぇ?新ニィ?」

そこで蓮見先輩に振ったのが失敗。

「あんな…コイツ、」
「え、ちょっと、新ニィ?」

【言わないよね?】
みたいなすごく可愛い(…って言ったら失礼かもしれないけど。)
顔も、蓮見先輩には通用しないみたいで。

「今はこんなキャラやけど、怒ったり、なんかの拍子に180度キャラ変わるねん。」
「「ホントに…?」」

あたしと恵美は章くんを見る。
すると、章くんは顔を真っ赤にして、

「どうして言うんだよ!…せっかく維持してたのに!」
「…ほら、な?」

その蓮見先輩の一言に声を出して笑った。

「ちょ…なんでそんなに笑ってんだよ!おいっ!」

章くんは可愛いときの面影もない。

「し、章…いつ見てもおもろいわ!」

それからその日は、章くんは裏の章くんで過ごしていた。