もつれるように歩いている
リカと空閑の、背中を見つつ歩いた。

よかった。
今日はすごい晴れている。

土日は、吹雪だったし。
しばらくたらたらと雪が降ったり
嵐になったりしていたからどうなるかと思ったけど。

3年間、空閑とリカとアズサと志藤と中谷と。
ずーっと一緒にいた。

空閑に関しては、すごい腐れ縁で。
小学校のときから、ずっと一緒。

クラスでさえも離れたことがないというミラクル。

「ナツメ、もしかしてちょっと寂しいとか
思ってたりするわけ!?」

中谷が、おちょくるように聞いてきた。
中谷をにらみつけた。

「バーカ。」

「ははっ、つか、そうかぁ。
卒業したらお前はシュウゴとは離れ離れか。ついに。」

「ついにって何んだよ。」

「マジで、シュウゴと付き合ったり
したことないわけ?あんなに女癖悪いのに。」

「…腐れ縁だかんなぁ。隣の男の子と
お手手つないでた時代から一緒だし。
ありえねぇよー」

「お前はまずその口の悪さから直さなきゃな」

「一応、社会人になればちゃんと女らしくする!」

「俺は大学で遊びほうけるー」

おぼっちゃまはいーいご身分で。
あたしは、バカだし。

そりゃ、大学も受けたけど
全部落ちた。

就職はできたけど。
空閑と違って、前科とかそーゆーのはないし。

「ナッツメー!!おごって!」

「…10倍返し。できるならおごってやるよ。」

「は!?それおごりじゃねーよー」

「リカにおごってもらえよ。この金無し。」

メニューをにらみつけた。
グラタンか、スパかで迷う。

「うはー、ひでー!ナツメこんなか弱い俺をっ」

「ノーコメント。」

また、メニューをにらみつける。
ぶーぶー空閑が文句を言う。

この生活も終わりかと考えるとやっぱ
あたしは寂しいのかもしれない。