「確かに翔には、わかんないかもしんないけど。」

気がついたらキツイ声が出てて。

「羅夢?どうしたんだよ?」

翔が困惑したように問いかける。

「でもさぁ、辛くったって現実を見て、向き合って清算して、生きていくしかないじゃん?」

「翔には、どうせわかんないてしょ?愛されて生きてきてない子の気持ちなんて。あたしは…父親だって、人に言えるような人じゃないし…なに不自由ない生活してきた翔には也わかんなくて当然だよ!」

気付けば叫んでた。心にもない言葉。あたしが言いたいのはこんなことじゃないのに。

「おい…羅夢っ!」

翔の言葉を背に受けながら、あたしは何故かその場から走り出していた。