「翔。すべての映画がハッピーエンドってわけじゃないんだね。」

「ああ。あれは続編やるからな。っていうか羅夢、絵本読んだことないの?」

「え、絵本でてるの?全然読んだことなかった。」

「あれは、リラとコリンの木っていう本を原作としてできた映画なんだぞ?知らなくて見てたのか。」

ってことは、リラは幸せになるんだね…。

「う、うん…あたし、絵本とか読む機会なかったし…」

「そっか~?母親に読んでもらったりしないのか?」

「翔にはわからないかもしれないけど、あたしの母親は普通じゃないの。あたしに。優しさなんてくれたことないし、母親らしいことなんてなに一つしてくれたこともないし…」

「ふーん。そんなもんじゃねえの?母親って。」

翔の言葉にあたしの中の、何かがハジけた。