「でも、私、こうやって見つめてるだけでもいいんです」 「え!?」 そう言った私に、目を丸くする真由子。 「近づけたり、話せたりしたらもっと幸せなんだろうけど、見つめてるだけでも幸せだもん」 「はあ~...。優衣ったら...」 真由子には、言えなかったけど。 ――...一度だけ。 岩崎君は忘れてると思うけど、 彼と喋ったことがあるんだ―――...。