彼への距離が縮まるのと比例するように、私の鼓動も大きくなっていく。 一回落ち着こう、なんて思って深呼吸しようとしたら。 「......誰?そこにいんの」 少し低めの、彼の声が聞こえた。 思わずドックンと心臓が飛び跳ねる。 私のところから数メートルしかない彼。 その視線の先は、ばっちりと私に向けられている。