大丈夫、大丈夫―――...。 その不安をかき消すように、何度もそう言い聞かせた。 ドキドキ高鳴る胸を押さえて、その扉を開けた。 ――――...初めての空間。 届かないと思っていた空が、いつもより少しだけ近くに思える。 吹き抜ける風が、少し冷たい。