せっかく真由子が教えてくれたのに、行かないわけにはいかないかな。 少し迷っていた私だったけど、ようやく決心した。 「――――...行って来よう」 私は、誰もいなくなった教室でポツリとそう呟き、屋上へ向かって駆け出した。 *** 「初めて来たなあ.........」 屋上へ続く階段を上りながら思った。 ほとんど使われていない此処の階段は、少しほこりっぽい。 だけど、初めての場所に来て、すごくワクワクするような気持ちになる。