封筒を開けた瞬間、ボロボロと、涙を零す私の瞳に映ったのは――
「……チケット?」
私の名前が書かれた、飛行機のチケットだった。
「なに、これ……」
混乱する頭と、苦しくなる呼吸。
握りしめたチケットの出発日は、稜君と約束していた、あの雪の日から一週間後――おとといの日付けになっていた。
「どういう事……?」
冷たくなった手を額の当てて一生懸命考えてみても、意味がわからない。
どうして私のチケットが?
これは、誰が、いつ置いた物?
――もしかしてあの日、これはもう、ここに置いてあったの?
思い出したのは、真っ暗だった部屋。
稜君に逢えなかった事が悲しくて、悔しくて、電気も点けられなかった私は、もしかしてこれに気が付かなかったの?
でも、それならあの稜君からのメールは?
別れを切り出したのに、その数日後に出国する飛行機のチケットを用意するなんて、どう考えてもおかしい。
そこまで考えて、私はハッとした。
「……メール」
そうだ。
私はあの日のメールを最後まで読むことが出来ずに、途中でそれを閉じてしまったのだ。
しゃがみ込んだ私は、小さな鞄を逆さまにして中身を床にぶちまけた。
「携帯……!!」
拾い上げた携帯の画面を、震える指で押していく。

