真っ暗な玄関。 真っ暗な廊下。 へたり込んだ足にもう一度力を入れて立ち上がり、慌てて履いていたパンプスを脱ぎ捨て、廊下を抜けてリビングの扉を開ける。 「どうして……っ」 涙声で呟く私の視線の先に広がるのは、ほんの少しの温かさが残る、誰もいない真っ暗なリビングだった――。