「稜君! 連れて行って欲しい所があるんだけど!」

稜君が旅立つ前日。

夜ゴハンを食べ終えて、お湯を沸かす稜君に声をかけた。


「へっ? どこ?」

「空港!」

明日は、お見送りには行けないから。


「……わかった。じゃー温かい恰好してねっ!」

「うん!」

もう一度だけ、あの景色を一緒に見たいと思った。