相変わらず、稜君からは毎日のように楽しい画像が届いて、ヒリヒリする私の心を優しく癒してくれる。

でもここにきて、やっとある事実に気が付いた。

私、稜君の写真とか持ってないじゃん!!

そりゃ、雑誌とかにいっぱい載ってるから、それはあるけど。

やっぱり二人でいる時の稜君は、雑誌に載っている稜君とは何かが違う。


メディアに出てる時の稜君も、おちゃらけキャラではあるけどさ。

そんな事を思いながら、試しにちょっと送ってみたメール。


【たまには、稜君の写メ送って欲しいなぁー】

でも、返ってきたのは、

【恥ずかしいから無理ー!!】

そんな返事。


「ちぇー。ケチんぼ」

ベッドに横になりながら呟いた瞬間、手に持っていた携帯が震えた。

明るくなったその画面には、稜君からの着信を知らせる文字。


「もしもし? 美月ちゃん? さっきのLINEの返事」

「見たよー」

そう言って、ちょっと口を尖らせた私の耳に届くのは……

「一緒に撮った方がいいと思うんだけどー」

私の頬を緩ませる、あなたの言葉。


「うん! じゃー、今度一緒に撮ろうね!」

「うん。約束ー!」


きっと、これからどんどん忙しくなる稜君と、一緒に出掛けたりはほとんど出来ないけど、こうやって些細だけど幸せな想い出を、いっぱい作りたいな。